皆さん、いらっしゃいませ。鮨やまけん銀座店です。
寿司屋にいると、お客様から魚にまつわる話題をいただくことがよくあります。その中でも「鯛」は特に日本人にとって特別な存在です。「鯛はめでたい」とよく言われますが、それには深い理由があります。今日は、鯛に秘められたその意味をお話ししましょう。
1. 「鯛」と「めでたい」の語呂合わせ
寿司を握っていると、魚の名前一つ一つに意味を感じます。「鯛」という名前は、日本語の「めでたい」と音が似ていることから、昔から縁起の良い魚とされてきました。この言葉遊びが、祝い事や寿司の席で鯛が重宝される理由の一つなのです。言葉の響き一つで喜びを感じられるのは、日本語の奥深さだと思います。
2. 鯛の持つ特別感
鯛はその美味しさもさることながら、高級感のある魚として知られています。特にお祝いの場で振る舞われることが多く、まさに特別な日にふさわしい魚です。私たち寿司職人にとっても、鯛を握るときには一層気持ちが引き締まります。お客様に「特別感」をお届けできる魚だからこそ、最高の状態で提供したいと心がけています。
3. 赤色の縁起の良さ
鯛の美しい赤色も、「めでたい」とされる理由の一つです。日本文化では赤は生命力や祝い事を象徴する色です。特に、寿司のネタとしても赤身の美しさが際立つ鯛は、視覚でも味覚でもお客様に喜んでいただける魚です。赤い鯛を握るとき、私はいつも「この一貫で心を伝えよう」と思いながらシャリに載せています。
4. 日本神話が支える鯛の地位
鯛が「めでたい」とされる背景には、日本の神話や伝統も大きく関わっています。恵比寿様が鯛を抱えている姿は、日本人にとって豊穣や幸運の象徴です。私たち寿司屋にとっても、鯛はただの魚ではなく、日本の文化や歴史を握りに込められる特別な存在です。
5. 祝いの料理としての普及
最後に、鯛は古くから日本の祝いの席に欠かせない料理として親しまれてきました。「焼き鯛」は婚礼や還暦などの節目に供される定番の一品です。鮨やまけんでも、特別な日に「鯛を使った寿司を」とご注文いただくことが多いです。その時は、鯛に込められた「めでたい」という気持ちを最大限に表現できるよう、一貫一貫心を込めて握っています。
最後に
鯛が「めでたい」とされるのは、音の響きや見た目、歴史、文化など多くの要素が絡み合った結果です。その深い意味を知ると、鯛を口にする瞬間がもっと特別に感じられるはずです。
次回、鮨やまけんで鯛の握りを召し上がるときには、ぜひその「めでたい」気持ちを感じてみてください。お客様の笑顔を見ることが、私たちにとって一番の喜びです。
今の季節に最適なコースはこちら。
皆様のご来店を心よりお待ちしております。